すっかり秋になりました。

食欲の秋です。スポーツの秋です。そして、読書の秋です。

ということで、今週はオトナのお気楽読者さまはめったに手にとらないであろう、こんな本をご紹介します。

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■今週のこれは見逃せないぜ！

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　　 『涼宮ハルヒの憂鬱』
　　　
　　　 著：谷川流　イラスト：いとうのぢ
　　　 角川スニーカー文庫　税込540円
　　　　　　　　
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出版界で、今勢いがあるジャンルの一つが、「ライトノベル」といわれるものです。角川スニーカー文庫や、富士見ファンタジア文庫、電撃文庫などが有名です。
　
一昔前は、「ティーンズ文庫」や「ジュニアノベル」と呼ばれていました。もっと時代をさかのぼれば、「少年探偵団」や「少年ケニヤ」が、ライトノベルの元祖だと言ってもいいでしょう。
　
ライトノベルを簡単に言えば、少年少女向け小説のこと。ただし、SFやファンタジー風味で味付けされているのが特徴です。ショッピングと整形の女王として有名な中村うさぎも、元はライトノベル作家。少年少女向けという枠を当てはめるならば、あの「ハリー・ポッター」シリーズも、立派なライトノベルと言えます。
　
「ハリー・ポッター」シリーズが全世界的にベストセラーになっていることから分かるように、現在のライトノベルの勢いは10代の少年少女だけでなく、大人も巻き込んでいるのが特徴です。
　
ただ、エンターテイメントに徹している作風のためか、SFやファンタジー的設定が面倒くさいためか、表紙のアニメ風キャラクターがオタクじゃない人に二の足を踏ませるためかは分かりませんが、週刊誌や書評に取り上げられることはほとんどありません。文庫の売り上げランキングには、常にこのジャンルの作品が登場していると言うのに、過小評価されているのです。本当に不思議です。
　
今回ひでがご紹介するこの『涼宮ハルヒの憂鬱』は、昨年話題をさらったライトノベルの一つ。もちろんライトノベルも玉石混交で、大人の鑑賞に堪えない作品も多いのですが、これは本当に面白かった。
　
作者の谷川流は、第8回スニーカー大賞を受賞した期待の新鋭です。このスニーカー大賞は、8回開催されながらも、大賞受賞者を出したのはわずか3回。このことからも、谷川流が只者ではないということが、お分かりになると思います。
　
舞台はとある地方都市の高校。入学した生徒たちの自己紹介の際、語り手の少年キョン（本名は不明）の後ろの席に座った美少女、涼宮ハルヒはこんなことを言い出した。
　
「ただの人間には興味がありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところへ来なさい。以上。」
　
ハルヒは普通の人間や平凡な日常には一切興味がなく、SF的な事件に遭遇することを熱望していた。もちろん、現実にそんな事件は起こるわけもなく、ハルヒはキョンを巻き込んで行動を起こす。
　
無口な読書好きの少女、長門有希。ロリ系の巨乳美少女、朝比奈みくる。謎の転校生（とハルヒが勝手に決め付けた）美少年、古泉一樹。以上のメンツを巻き込んで、「SOS団」（世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団）を結成。ハルヒの超自己中心的な性格は、学園に抱腹絶倒のドタバタを引き起こす。そんな学園生活と並行して、SOS団は時空の歪みの捜索だとか、エイリアンとの遭遇だとかのSF的事件を探す活動を行っていく。しかし、そんなものは見つかるわけもなく・・・。
　
ハルヒはただのヘンなやつなのか？と思うかもしれませんね。でも、私はハルヒにどうしても感情移入してしまいます。フィクションの登場人物は日常的に異常事件に遭遇しているのに、なんで自分の周りには平凡な日常しかないんだろう？とつまらなく思った経験は、誰しも多少はあるかと思います。もちろん、私もその中の一人です。
　
ハルヒほど極端ではなくとも、若者はある種のもどかしさ、満たされなさを感じているもの。ハルヒの姿は、若者の心を象徴しているのだと読み取ることもできます。そして、ハルヒの気持ちをどこかでは理解しながらも、キョンは常識という枷からハルヒのトンデモな行動に辟易しています。果たして、現在の少年少女はどちらに感情移入するのか、興味深いところです。
　
もちろん、小説ですから日常は意外な方向に展開します。有希、みくる、古泉は、自分の秘密をキョンに打ち明ける。彼らは普通の人間ではなかった。そして、ハルヒにも、本人は知る由もない重大な秘密が・・・。
　
知らぬはハルヒばかりなり、という展開が絶妙です。そして特筆すべきは、谷川流の語り口のうまさ。
　
「運命なんてものを俺は琵琶湖で生きたプレシオザウルスが発見される可能性よりも信じない。」
「ハルヒはお百度参りを決意した呪い女のようなワニ目で中空を眺め、北風のようなため息をついた。」
　
面白いでしょ。さすが期待の新鋭って感じです。
　
オチは70年代後半のSF作品から続く、よくあるパターンなんですが、キャラクターの魅力もあって、最後まで一気に読ませます。
　
現代の若者のための小説であるライトノベル。この作品は、ライトノベルの中でも、クオリティの高さでお勧めできる逸品でございます。ぜひ、手にとってみてくださいませ。
　
◆追記
　
シリーズ化を前提に企画されるのが、最近のライトノベルの特徴。刊行ペースは、少年少女に忘れられないために、3ヶ月に1作が原則です。この「涼宮ハルヒ」シリーズも、『憂鬱』『溜息』『退屈』『消失』とすでに4作出ています。最新刊『涼宮ハルヒの暴走』は、10月1日発売予定。非常に楽しみです。

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■今週の間違い大杉

ひでがお送りする、前回お気楽123号の素の間違いを、はっきりと皆様にお見せするのがこのコーナーでございます。

ワン・ツー・スリーで見事成功！！ってわけではないでしょうが、素の間違いもワン・ツー・スリーで見事に増殖しておりますな。

では、どうぞお楽しみください。

◆トゥーツ・シールズマンファンサイトの決定版はこちら。

素の間違いは「トゥーツ・シールズマン」。正しくは「トゥーツ・シールマンズ」。

ああ、また人名を間違えてしまった・・・。反省します。

◆すぐにマウスを動かしたのすが、後の祭り。

素の間違いは「動かしたのすが」。正しくは「動かしたのですが」。

訛りが出てますよ！東京に仕事場を移したはずなのに、なぜ？

◆皆さまはそんなこのないように、

素の間違いは「そんなこの」。正しくは「そんなことの」

浩子先生がどんなにヒヤヒヤしたか、ものすごく伝わってきますよね。、

◆コントロールパネから「セキュリティセンター」を開き、

素の間違いは「コントロールパネ」。正しくは「コントロールパネル」。

「る」が抜けました。これでは「ルンルン」と鼻歌を歌いながら、パソコンと向かい合うことができませんね。

◆自分の都合のよい時間に、設定しなおして起きましょう。

素の間違いは「起きましょう」。正しくは「おきましょう」。

自分の生活を朝方に設定しなおしたいという、浩子先生のもがきが目に浮かぶ素の間違いです。

◆パソコンの電源が付いてなかったら、さすがに作動しませんからね。

素の間違いは「付いて」。正しくは「点いて」。

本体に電源が「付いて」いないパソコンは、おそらく世界中のどこを探してもありますまい。

◆前回の素の間違いのは、今回はこちらでご紹介。

素の間違いは「素の間違いのは」。正しくは「素の間違いは」。

続く文「やればできるじゃん、ティー・キューブ。」がむなしく響くばかりです。

◆オトナが呼んでもタメになる教育メルマガ「勉強の達人」の西口正さまが、

素の間違いは「呼んでも」。正しくは「読んでも」。

「勉強の達人」を呼べば、たしかに誰もがタメになるでしょうけどねぇ。

では、今週も。

どうも申し訳ございませんでした。

さて、みなさま。お気楽124号はお楽しみいただけましたか？

今週も、きっと素の間違いはなくならないと思いますが、それも楽しみの一つと生暖かい目で見ていただきながら、NGワード見つけていただきたいと思います。
みなさまのご応募、心よりお待ち申し上げております。

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最後までお付き合いくださってありがとうございました。
今週もあなたにとって、素敵な１週間でありますように