皆さまご機嫌よう。桜って意外と強いんですね。あんなに暴風雨が吹き荒れたのに、まだキレイに咲いておりました。ステキ。可憐なようでいて強いってのは、憧れますねぇ…。
ってことで、 今週の「裏お気楽」も、浩子がお送り致します!
一度書いたら止められないってか?!
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オペラシティーで、クラシックな夕べ
フジ子・ヘミング + タマーシュ・ヴァシャーリ指揮
+ スペイン・カダケス管弦楽団 = ???!
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フジコちゃぁ〜ん。
って、ルパンではなく、イングリット・フジ子・ヘミングの方。ヘミングウェイもない。
はい。ってなことで、行って参りました。オペラシティーに。チャコママと二人で。
最近「高橋家乙女組」の代表(←母ね)と頭領(←って、あたしかい)は、二人で「キレイなモノ」を観に行くことが多いのです。先月も「くまてつ」こと、熊川哲也を見て、そのあまりの美しさに、二人でうっとり(キラキラ)ってしちゃいましたもの。
今日はチャコママの結婚記念日でもあるので、亡き父の代わりに私がデートにお誘いしたというわけ。母はいくつになっても「乙女の心」を忘れておらず、キレイなところに行くと、素直に「きゃぴ♪」てなるところが、かわいいなぁと。母をかわいいと思える私も私だが。
さて、その日はちょうど、がっつり進行中だった宝島さんの原稿も一段落つき(みなさん、本当にありがとう!)、校了前の静かなひとときでござりました。私も「久々に人らしさ、女性らしさ」を取り戻し、ネイルサロンに行って、伸びっぱなしになっていた爪をキレイにして、春らしく桜色に染め上げ、久々にバッチリフルメイクを施し、ゆかちに「ゴスロリ?!」って言われた最近買ったお気に入りのスカートをはいて、お出かけしたのです。
やっぱり、キレイになると、気持ちも晴れやかになるわねぇ…。
会場に着くと、結構な人出でございました。さすが「最もチケット入手が困難なアーティストの一人」であると言われるフジ子さんでございますわね。ロビーでは早くも2箇所、黒山の人だかりができております。
一箇所は、CDやDVDを打っているコーナー。そしてもう一箇所は、フジ子さんが書いた絵を販売しておりました。そう、彼女は絵も描くのです。それも、ヨーロッパの香り漂う雰囲気ある絵を! 彼女のCDのジャケットなどにも使われているので、見たことある方も多いのではないでしょうか。
特に、ピアノを弾いている絵は、もっと大きくて(B4くらいかな)額に入って売っていたのですが、買おうかどうしようか、かなり迷いました。でも、結局連れては帰らずに、代わりと言っては何ですが、ホストカードを2種類と、CDを何枚か買って帰りました。
絵のブースでは、でっかくて、白髪で、船乗りか海賊かってくらい雰囲気のある男性が中心になって絵の販売をしていたのですが、なんと! 驚いたことに、フジ子さんの実弟なんですって。へぇ〜。二人並んだら、めちゃくちゃ迫力あるなぁ。
でも、姉の書いた絵を、姉が奏でるコンサート会場で、弟自らが売る---という光景に、すばらしい家族愛を感じてしまいました。すてき。
ひでちゃんも、何か売ってくれたらいいのに…。
そんなことはさておいて、本日のお席は、1階席の後ろの方ではありましたが、どんぴしゃ、ど真ん中! 実にバランス良くオーケストラが見えまする。
オペラシティーはこれで2回目なのですが(1回目はショパンのピアノリサイタルね。これも母と行きました)、正面にどーんとパイプオルガンがあって、壁がすべて木でできているとても温かみのあるホールなんですよね。席も一列ずつちょっとずれて並んでいるので、目の前の人がいくら座高が高くても「えーん、見えないよぅ」ということにはなりません。とても親切な作りになっていると思います。
今回はフジ子・ヘミングピアノソロではなく、スペイン・カダケス管弦楽団との協演です。指揮者はタマーシュ・ヴァシャーリ。パンフレットによると、ハンガリーの音楽を語る上で、もっとも重要な人物なんだそうです。
オーケストラも楽しみですが、やっぱり注目はフジ子さんのピアノ。美輪さんも絶賛しているので、かねてからいっぺん見てみたかったのですよ。生フジ子を!!
さて、本日の演目は次の通りでござります。
序曲 《セビリアの理髪師》
ベートーヴェン 《皇帝》
F・リスト ラ・カンパネラ
W.A.モーツアルト 《ジュピター》
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フジ子さんが登場したのは、2曲目のピアノ協奏曲「皇帝」。 黄色というか金色の着物を、ガウンのように羽織って、ゆっくりと、そして堂々と出て参りました。ステージに姿を見せてその瞬間から、すでに「只者ではないオーラ」満載。ものすごい迫力です。
ガウンと揃えたかのように、髪も金髪。そして、木の感じで黄色っぽいホール全体と、ものの見事に一体化しておりました。保護色? 融合?
そんな黄金前回の中、グランドピアノの黒がとっても際立ち、かなり印象的でな構図となっておりました。こういう効果も考えるのかなぁ…。フジ子さん。
ピアノの前に座ると、右耳に黒い花の髪飾りを付けていました。これもすごいアクセントですねぇ。黄金と黒のコントラスト、彼女の独特の美学に、すっかりうれしくなりました。
さぁ、演奏が始まりました。
「なに? この音?!」
そのくらいフジ子さんのピアノの音は、慈愛に満ちた優しい音なのです。想像以上の優しさです。なんて優しいんだ!! 確かに彼女のCDを聴く限り、意外と繊細な音を奏でてはいらっしゃいましたが、まさかここまでとは。とてもやわらかくて、まあるい感じの音なんです。
「皇帝」っていうからには、もっと激しくて迫力あるのかと思ってましたよ。勝手に。
まぁ、「皇帝」って曲自体よく知らないので、こういう風に弾くモノなのかもしれませんけど。こういうときに「にわかクラシック」だと、対応できないわねぇ。くすっ。
うまく言葉では言い表せないのですが、とにかく不思議な音でした。
拍手喝采。鳴りやまぬ拍手。 ブラボーです。
多少間違えちゃったところとかありましたが、「それがどうした」というくらい、魂の演奏だったと思います。オーケストラの方々も、そして指揮者の方も、それはそれは気持ちよさそうでした。
弾き終えてからフジ子さんは、唐突に生声で話し始めました。
さすがちゃんとしたホール。マイクなしでも後ろまで声が届くんだね。 へー、すごいねーなんのんきに聞いていたら、
「私、転んじゃったんです」 って、しれっと言うんです。
はい? 転んだですと?
なんと、2ヶ月だか3ヶ月前だかに、氷の上で転んで、腰と背中をイヤって言うほど打ってしまったとか。パリでの出来事だったと言われたような…。
で、それ以来、動けなくなって、1ヶ月半も寝たきり状態が続いていたんですって!!
「今日は薬で痛みを抑えています。だから何が起きるかわかりませんが…(笑)」
しぇ〜〜〜〜。何をおっしゃるフジ子さん!! そんな大変なことを、なんて軽く言うんでしょう。まるで「昨日、焼き肉を食べましてね」くらいのノリではないですかぁぁ!!
いやー、驚きました。でも、つい最近まで寝たきりだったとは、みじんこたりとも思えません。「すげー優しい」と感じたのは、ケガのせいで力が出なかったから?! でも、言われるまでちぃーともわかりませんでした。ええええ。
だって、堂々と歩いているし、お辞儀も軽やかだし…。
すごいぞ、フジ子。やっぱり只者ぢゃねぇ…。
これぞ芸術家魂! ピアノ魂! でござりましょう。
びっくりさせられた後、しめやかにソロの部へとプログラムは進行します。
お得意のリストの『ラ・カンパネラ』。
そしてもう一曲。ショパンかな。聴いたことはあるけれど、曲名がすぐに出てこないのが寂しい…。
でも、なんて曲でも、素晴らしかったです。さっきの「皇帝」も良かったけれど、やっぱりソロは心にしみるわねぇ…。(うっとり) 2曲と言わず、もっともっと聴きたかったです。今度、機会があったら、ソロコンサートに行って見ようと思いました。
フジ子さんの出番は以上。あとに続くはスペイン・カダケス管弦楽団演奏の「ジュピター」です。生モーツアルトだっ! 生モーだ。なんだそれは。にわかクラシック愛好家の私でも、「あ、これ聞いたことある」という曲だったので、余計に楽しかったし、気持ちよかったです。ああ、気持ちいい…。「もう終わっちゃうの?」という感じでした。
きっと会場の皆さんも同じ気持ちだったのでしょうか。いつまでたっても拍手が鳴りやまないんです。指揮者のタマーシュ・ヴァシャーリも気をよくしたのか(そりゃ気持ちよかろう)、3回もアンコールに応えて演奏してくれました。大サービスですね!
アンコール曲は、なんとかと、なんとかと、フィガロの結婚。2曲目がスペイン風の曲で、闘牛士を思わせるような感じだったのですが、それがかっこいいこと、かっこいいこと! さすがスペイン人!!
いやー、楽しかったです。堪能いたしましたよ。気がつけば開演から3時間もたっぷり過ぎている…。なんて贅沢な時間なのでしょう。
クラシックコンサートを聴きに行くようになってから、まだ日が浅くて、知らないことだらけだけど、行くたびに思います。『生』はやっぱり気持ちいいっ!!!
チラシをいっぱいもらったので、その中から見繕って、また出かけてみようと思っています。小さな夢はサントリーホールでオーケストラを聴くこと。たぶん今年中には叶うでしょう♪
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さて、みなさま。お気楽203号はいかがでしたでしょうか?
「相変わらずねー」と、楽しんでいただけたのならば、こんなにうれしいことはありません。来週も、お気楽テイスト満載でお送りしたいと思います。どうか、楽しみに待っていてくださいね。
それでは、来週の木曜日までごきげんよう\(^o^)/ らぶ。
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