みなさま、ご機嫌よう。お気楽・浩子でござります。いやー、宴たけなわ…ではなく、秋もすっかり深まり、秋真っ盛りでござりますねぇ。いいですねー。暑いのも寒いのもキライじゃないけど、浩子は春とか秋とかの、あの暑くもなく寒くもない「中途半端な陽気」が大好きなのでござります。いいですよねぇ〜どっちつかずなのって。
てなことで、秋の風に誘われて、浩子は一人、「芸術の秋」を堪能してみました♪
ε=┏( ・_・)┛┏( ・_・)┛ε=┏( ・_・)┛┏( ・_・)┛ε=┏(・_・)┛
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
芸術の秋!ですもの!
浩子・美術館に行く! の巻
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
我がティー・キューブさんの仕事場は浅草にほど近い下町。浅草に近いと言うことは、上野にも近いということ。上野には東京藝術大学もあるし、美術館や博物館もたんとある(動物園もあるけどね)。まさに「芸術のお山」が上野公園なのでござります。
でも、近所ということでついつい気がゆるみがちになるのか、なかなか頻繁には行けないんですよねー。「ちょっと時間が出来たから、美術館、覗いてみた」なんて生活に、長いこと憧れ続けているのですが、現実と憧れは違うものなのからし?(←お気楽語よ)
でも、今日は土曜日! しかも良い天気!! こりゃ散歩にでも行かなきゃもったいないでしょう! ということで、久々に朝っぱらから活動開始。休みの日は脳みそ腐るんじゃないか?くらい寝倒すことが多い私ですが、今日の私は違うもの!(キラン☆彡)
●やっぱ、“ダリ”でしょう
私はダリでしょう…。
はい。すいません。今、上野ではダリ生誕100周年を記念して、「ダリ回顧展」が開催されております。何を隠そう、私はダリが大好きで大好きで、自分でもリトグラフを持っているほど。ロンドンで見たダリの美術館では、「ほぇ〜」「うはぁぁぁぁ」と、ため息の連発でござりました。いいよねぇ、ダリ。
私とダリとの出会いは、かれこれ20年も前に遡るのでしょうか。受験を間近に控えているというのに、「どうしても見たいよぅ!」と得もしれず内側からわき上がる衝動に導かれ「シュールレアリズ展」に足を踏み入れた私。ま、衝動などとそんなたいそうなものじゃござりませんが、人はそれを「現実逃避」と呼ぶのでしょう。でも、見たかったんだもの。
その時展示されていたのは、今から考えると、錚々たる面々でした。アンドレ・ブルドンを始め、エルンスト、カンディンスキー、ミロ、デルヴォー、マン・レイ、キリコ、マグリット、エチャウレン、そしてダリ---。ああ、懐かしい…。
このときが「初めてダリを“ちゃんと見た”」経験でござりました。
このちょっとイカレタ(そしてかなりイカシタ)面々の作品は、18歳の浩子のハートと脳みそを「がつん!」と一発、もろに直撃したものです。それから、人生の角度が少〜し変わってしまったのかもしれません。
ダリの第一印象は、
「なんだろう、この奇妙で気持ちの良いグニグニしたラインは…。」
そんな感じだったと思います。だって、気味が悪いほど絵が上手なんですもの。なので、ずーーーっとしばらく、ダリの前にたたずんでおりました。ま、マン・レイでも同じような反応を示したんだけどね。「なんだ、これは!」と思うと、ずーっと見ちゃうのね。それ以来ダリが大好きになって、大胆にも、こんなの買っちゃいました。今では大切な私の宝物です。
私のダリ
ダリの作品の中でもかなり有名な「記憶の固執(柔らかい時計)』、通称「溶ける時計」でござります。でっかいので壁にも掛けられず、そのまま立てかけてある、ちょっと不憫な子でもあるのです。
●で、ダリなんですが…
で。ダリですよ、ダリ。そのダリさんが、上野にやってくる!ってんで、「こりゃ見ないわけにはいかないでしょう!」と、見る気満々で上野のお山に向かいました。天気がよかったので、散歩がてら…とも思ったのですが、見る前に疲れてしまったら何にもならないので、とりあえず急いで向かいました。
時計を見ると、まだ開場前。「ふふん、余裕余裕…」と、鼻歌混じりに美術館を目指した私の目に飛び込んで来たのは、人、人。人々の長者の列…ってこれは先週の「ちょいぶ」だわよ。そうじゃなくって長蛇の列!!(@_@)!!「しぇ〜。」って感じでござりました。
これがダリ回顧展の入り口。ダリ、でかっ!
開場前だというのに、すでにこんななってました。ダリ、大人気!
その長蛇の列を見ながら、立ち止まりしばし考えました。どうしよう…。このまま並ぶべきか? それとも否か…。
「やめた! 今度にしよう。平日の朝っぱらに来よう」
この答えが出たのは、2秒後でござりました。こういうとき、近所って良いわよねぇ。ダリ展は来年の一月までやっているので、まだまだチャンスはたくさんあるでしょう。
ってなことで、本日の最大にして最高の目標を、いともあっさりなくしてしまった私。
「さぁ、どうしよう…」と上野公園の中を歩き始めると、これが目に飛び込んで参りました。
ベルギー王立美術館展---。
よし、これだっ! と、これまた2秒で決定。これもご縁でござりましょう。ダリではなく、ブリューゲルやアンソールなどのベルギーな人々の作品を見ることになりました。
ダリ展から一転して、ベルギー王立美術を見ることに。
上野はいろいろやってるから、こういう贅沢なことができてうれしいねぇ。
ベルギー王立美術館展をやっていたのは、上野の西洋美術館。ここにはナント、ロダンの「地獄門」や「考える人」があるんです。美術館の中に入るにはお金がかかるけど、彫刻を見るのはタダ! 上野って結構太っ腹だったんですね。ステキ。
考えてる、考えてる
これが地獄門。
おおー、デビルマンの世界だっ!
てなことで、美術館に入る前から浩子のテンションは上がり気味。こんなにワクワクしながら絵を見に行くってのも、珍しいかもしれません。
さて、ベルギー王立美術館展は、ダリ展とはうって変わって静かな感じ。まぁこれがフツーの姿なんだと思いますが。チケットもスムーズに買えたし、中に入っても人もまばら。うんうん、良い感じです。こうじゃなくっちゃ、ゆっくり見えませんもの。
時代ごとに展示室が別れていて、16〜17世紀くらいの作品からスタート。ブリューゲルの作品がたくさんありました。そういえばブリューゲルって、大学の美学の試験の時、私いろいろ語ったなぁ…。でも、何を語ったかちーとも覚えてないや。
ブリューゲルは素朴な画風の中にも、風刺が効いていて、「よく見てるなぁ…」って思えるところがたくさんあるのね。村人の表情とか、かっこうとかね。有名な(って説明には書いてあった)「イカロスの墜落」って絵は、「どこにおるんじゃい?!(@_@)」っていうくらいの場所にイカロスを描いているのね。あははは。こんなところに落っこちちゃったんだ、イカロスったら。しかも、みんな気づいてないし。って、見つけたときには「くすっ」としちゃいました。
ああ、絵をお見せできないのが残念ですわ。でも「イカロスの墜落」で検索すると、見つかったので、ちょっと拝借しちゃいます。これです。さぁ、どこに落ちたか、探してみよう!
これがブリューゲルの「イカロスの墜落」でござります。
さぁ、イカロスさんはどこに落っこちてしまったのでしょうか?(児玉清風で)
(画像クリックで拡大)
他の画家さんたちも、とてもリアルに描いていて、「なんて上手なんだ!」と、いちいち感動してしまいました。葡萄の房のひとつひとつ、金の食器の小さな飾り、布のドレープ、肌のたるみ、花びら、ひげの一本一本にいたるまで、緻密に綿密に、ものすごく丁寧に描かれておりました。もう、うっとりです。
特に私のハートをわしづかんだのは、ブリューゲル(息子?)が描いたお花や果物、ユトレヒトが描いた金銀の食器やワイングラスたちでございます。見れば見るほどリアルなんだけど、近くに寄ってみると、筆の一点一点がよく見える。「うん、確かに描いてある」…。でも、離れてみると、まるで写真のよう…。ものすごい観察力と、表現力でござりますね。いやー、すごいっ!! なんでこんなものが描けちゃうの? ねぇねぇ。
でも、この頃の時代って、結構はっちゃけていたのかもしれませんね。子供のお尻を拭いてる母親とか、飲み過ぎて「げー」ってなっている人もいたり、そうかと思えば、飲み過ぎてぐてぇ〜っとなっている偉い人(神様?)を描いてみたり、「愛の告白」ってタイトルなのに、男性はコワイ顔して、女性はちーともうれしそうじゃなかったり。いろんなドラマがあって、なんだかすんごく楽しめました。
●おおー、こんなところで会えましたかっ!
一人にやにやしながら先に進んでいくと、だんだんと近代の作品になっていきます。アンソールの暗い(けど、なぜかコミカルな)絵がたくさんありました。クノップフもいいですねぇ。今回はなかったけれど、虎だか豹だかと美少年がほほを寄せている、ちょっと色っぽい幻想的な絵、あれも私大好きです。ベルギー象徴派の作品だと思うけど…。
えっと、今、Google先生に聞いてみたら、虎でも豹でもなく「チータ」で、タイトルは「愛撫」だそうです。そうそう、これこれ。でも、こんなに直接的なタイトルだったんだ。うっひゃー。19世紀の人って、結構大胆なのね…(もじもじ)
これも見てみたい人は、Googleのイメージ検索してみてね。「クノップフ」で一発で出てきますから。
こちらがクノップフの「愛撫」。きゃっ。
(画像クリックで拡大)
で。最後のお部屋が「シュールレアリズム」でござりました。20世紀でござります。
ああ、マグリットだっ!
私は引き寄せられるように、マグリットの絵の前にたたずみ「お久しぶり」と心の中でつぶやいてみました。おお、こんなところで会えるとはっ! かのシュールレアリズム展以来でござりますよ。ええええ。そうそう、これ! この絵も好きなのよー。
何に引き寄せられたのかというと、マグリットの「光の帝国」という絵でござります。お空は青く、白い雲がぽっかり浮かんでいるというのに、湖面は夜で電灯がともっているという、一枚の絵の中に昼と夜が融合している、不思議な世界が絵が描かれている絵なのでござります。
ルネ・マグリットの「光の帝国」でござります。
ゆらゆら帝国じゃないよ。
(画像クリックで拡大)
ああ…(うっとり)。ああ…(しあわせ)。
てなことで、ダリを見るつもりでしたが、思わぬ展開で、ブリューゲルやマグリットにまでお目にかかれた私。実に芸術の秋にふさわしく、楽しいひとときでござりました。やっぱ、芸術っていいね!いーねっ!(←剣さん風で)。また時間を作って観に行こうと思っています。
ベルギー王立美術館展は、12月10日までやっているようです。他の作品も、こちらのサイトで見られますよ。「光の帝国」のでっかい絵も見られますわよっ!
●アフターベルギーはちょっとお散歩
美しいものをたっぷり見て、お腹いっぱいになった私は、機嫌も良いし天気もいいので、ちょっくら上野公園をお散歩してみました。ああ、気持ちいい。私が見たものを、皆さまにもちょっとだけお裾分け♪
ああ、なんて良い天気なのでしょう…!
和太鼓軍団のパフォーマンス。しぶいっ!
でも、アタマがベルギーな私にはちょみっとしか響かずでした
(すいません)。
ちょっとヴェルサイユ風でしょ?!(そうでもないか)
向こうに見えるのは平安館。ただいま仏像展をやってます。
それも見たいんだー。
まるでマグリットのような雲…(うっとり)
そして浩子…。
すんごく楽しかった! ありがとう上野公園! ありがとうベルギー王朝!(←多少間違っている)
こんな休日もたまには良いですわね♪
●おまけ1
ベルギーを堪能した後、ダリはどんな感じかと思ってわざわざ見に行ったのですが、なんとっ!!!(@_@)!!! 想像を遙か超える盛況っぷり。人混みはさらに増え、長蛇の列もさらに長く長〜くなっておりました。日本人はこんなにもダリ好きだったのかぁぁっ!! っていうか、みんな、辛抱強いなぁ…。
会場前の並びっぷり。
ベルギー後のダリの列。
こんなにもダリ好きの日本人がいっぱいいるのかっ!(驚)!
●おまけ2
帰りは歩いてみたのですが、こんなものを発見! ちょうど大事な字のところが、木に陰ってしまっていますが、「日本鳩レース協会」でござります。鳩ですよ、鳩レース。
奥が深いなぁ…、上野……。
それでは、今週もブラボーな1週間をお過ごし下さいませっ! らぶっ!
|