世の中は年末進行まっしぐら。ここをご覧のみなさまも、さぞや目の回るような毎日をお過ごしのことでしょう。今週の裏オキラクページも、目を回しているみなさまをさらにクラクラさせるくらい、熱く語って参ります。みなさま、覚悟してお読みくださいませ。
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■ひで、魂のレビュー
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MY PLEASURE 〜FEATURING GREATEST MUSICIANS〜
SHUICHI “PONTA”MURAKAMI
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みなさま、こんにちは。弟のひででございます。 わたくしのCDや本のセレクトの基準は、「2つの法則」で成り立っています。
それは、何か2つ以上の魅力を感じたら、お金を出して手にいれるという行動に移るということです。例えばCDだったら、あのアーティストのアルバムで、あの曲が入っているから買おうとか、このミュージシャンが、この曲を演奏しているから買おうというように、作品に2つ以上の魅力を感じない限り、買うという行為はしないのです。うちの家族は誰も信じてくれないかもしれませんが、やたらめったら買っているわけではなく、一応判断の基準があるわけでございます。
そういう判断基準で購入すると、どういうことが起こるかと申しますと、「シリーズの続編もの」とか、「オールスターもの」に非常に弱くなります。
あの素晴らしいシリーズ+続編→購入という思考が働いたり、あのミュージシャンが参加+このミュージシャンも参加→購入という思考が働いたりしますので、必然的に部屋に溢れるソフトの数は増えていくわけでございます。その増えっぷりから家族には、よく考えないで買っているというような印象を与えてしまい、白い目で見られてしまうというわけでございます。
ということで今回は、わたくしの「2つの法則」を見事に直撃する、キラ星のようなミュージシャンが参加したオールスターものである、12月3日に発売された村上“ポンタ”秀一のデビュー30周年記念アルバムを紹介します。
●村上“ポンタ”秀一ってどんな人
日本を代表するドラマーとして、誰でも顔は知っているであろうポンタさんは、1951年生まれ。音楽の取っ掛かりは、中学、高校のときに吹奏楽部に所属していたことです。フレンチホルンを担当していたとか。「クラシック以外は音楽じゃない」と考えていた高校生時代に、ジョン・コルトレーンのアルバムと出会い、そのアルバムのエルヴィン・ジョーンズのプレイのあまりの素晴らしさに大きな影響を受け、ドラマーを志しました。
ポンタさんがドラムと向き合うにあたって最初にしたことは、徹底的なイメージトレーニング。ドラムセットに最初に触ったのは、20歳のときだというから驚きです。楽器は遅くとも中学生くらいにはじめないと、なかなか大成しないというのがこの世界の常識ですから。
1972年にフォークグループ「赤い鳥」のバックバンドのオーディションに合格し、プロとしての生活がスタートします。以降数々のスタジオワークをバリバリとこなし、トップドラマーとしてのポジションを固めて行きます。噂によれば、五木ひろしの「よこはまたそがれ」のオリジナルドラマーもポンタさんだとか。
セッションしたミュージシャンをざっと挙げてみても、渡辺貞夫、山下洋輔、松岡直也、坂田明、大村憲司、向井滋春、加古隆、深町純、細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、仙波清彦、渡辺香津美、後藤次利、高中正義、Char、小原礼、本多俊之、村田陽一等、本当に一流どころばかり。
更に、井上陽水、吉田拓郎、五輪真弓、沢田研二、山下達郎、松任谷由実、吉田美奈子、矢野顕子、大貫妙子、EPO、矢沢永吉、泉谷しげる、阿川泰子、近藤房之助、忌野清志郎、仲井戸麗市、桑田佳祐、氷室京介、尾崎豊、角松敏生、DREAMS
COME TRUEなどの個性豊かなシンガー達のコンサートやレコーディングを支え、参加アルバムは10,000枚を超えるといわれています。
一般的に顔が知られるようになったのは、1989年にTBS系「イカすバンド天国」に審査員として出演してからでしょうかね。その他にもフジテレビ系「やまだかつてないテレビ」とか、フジテレビ系「ニュースJAPAN〜神々の宴」でJ-POP系のシンガーとセッションを繰り広げたのが、印象深いですね。現在では、フジテレビ系「堂本兄弟」で、堂本ブラザーズバンドの一員としてご活躍中です。
●25周年記念アルバムはすごかった。
そんなポンタさんが1998年にリリースしたデビュー25周年記念アルバム『WELCOME TO
MY LIFE』。わたくしの「オールスターに弱い」という弱点をものの見事についたこのアルバム。ここでは、ポンタさんの広すぎる人脈を駆使したものすごいセッションが繰り広げられました。
今の世の中、トリビュート・アルバムだとかコンピレーション・アルバムだとか、いわゆるアーティストの共演ものが大流行りですが、その流れを作り出した一枚がこのアルバムであることは間違いございません。参加ミュージシャンは総勢50人以上。のっこ、山下達郎、井上陽水、香西かおり、忌野清志郎、泉谷しげる、沢田研二、吉田美奈子、桑田佳祐のヴォーカルが一枚で聴けてしまうというおそるべきアルバム。そんなアルバムは未だにございませんな。
もちろん、バックのミュージシャンもため息が出るくらいの豪華さで、しかも、絶妙な配置。まさに、日本音楽界のショーケース。どのミュージシャンにどの曲をやってもらおうかと考えるプロデュース作業は、さぞや楽しいものだったでしょう。その豪華っぷりは決して色あせることはありません。
また、2000年にリリースした『3 VIEWS/3 Views Producers』というアルバム。これは、佐山雅弘、村田陽一とともに立ち上げたジャズレーベル「3
VIEWS」の最初のアルバムなのですが、ここではポンタさんのジャズマンとしてのプレイが堪能できます。
ここでの白眉は、DREAMS COME TRUEの吉田美和にスタンダードを歌わせたと言うこと。実にいい感じで歌っていて、上手い人はなにやらせても上手いと感心したことをよく覚えています。
ジャズを聴いてみたいけど、なんだか敷居が高そうでちょっと怖いかも、なんて思っている方は、ぜひこのアルバムを聴いてみることをお勧めいたします。逆に、このアルバムを聴いてもいまいとピンとこない方は、きっと体の中にジャズ遺伝子がない方です。向いていないですから、ジャズを聴くことはあきらめた方がよいでしょう。
●そして、30周年記念アルバムは
そして、30周年記念のアルバム『MY PLEASURE』。基本的なコンセプトは、『WELCOME
TO MY LIFE』と一緒だと思います。今作がどんな感じなのかは以下の通りでございます。
01.翼をください / 村上“ポンタ”秀一 feat. ゆず
北川悠仁(vo)、岩沢厚治(vo)、増崎孝司(g)、 高水健司(b)、中西康晴(p)
02.帰れない二人 / 村上“ポンタ”秀一 feat.福山雅治
福山雅治(vo,g)、 坂井紅介(b)、塩谷哲(p)
03.LOVE SPACE / 村上“ポンタ”秀一 feat.槇原敬之
槇原敬之(vo)、小倉博和(g,b)
04.ソバカスのある少女 / 村上“ポンタ”秀一 feat.角松敏生 & 南佳孝
角松敏生(vo,g)、南佳孝(vo,g)、鈴木茂(g)、後藤次利(b)、佐藤博(kbds)
05.飾りじゃないのよ涙は / 村上“ポンタ”秀一 feat.吉川晃司
吉川晃司(vo,g)、武田真治(sax)、佐藤研二(b)
06.NOTHING FROM NOTHING / 村上“ポンタ”秀一 feat.ゴスペラーズ
村上てつや(vo)、黒沢薫(vo)、酒井雄二(vo)、北山陽一(vo)、安岡 優(vo)、佐山雅弘(p,kbds)
07.YOU’VE GOT A FRIEND / 村上“ポンタ”秀一 feat.Kiroro
玉城千春(vo)、金城綾乃(p)
08.DOWN TOWN / 村上“ポンタ”秀一 feat.Tina
Tina(vo)、金子隆博(BIG HORNS BEE) (sax)、伊丹雅博(g)
09.EVERYTHING MUST CHANGE / 村上“ポンタ”秀一 feat.Keiko Lee
Keiko Lee(vo)、西脇辰弥(kbds, Chromatic Harmonica)
10.MILES DAVIS MEDLEY / PINOCCHIO〜SO WHAT〜WALKIN’〜 MILESTONES /村上“ポンタ”秀一
feat.N.Y.FRIENDS
ランディ・ブレッカー(tp)、マイケル・ブレッカー(sax)、ジョン・スコフィールド(g)、坂本龍一(kbds)、アンソニー・ジャクソン(b)、エディ・ゴメス(b)、ウィル・リー(b,scat)、オマー・ハキム(ds)、スティーヴ・ジョーダン(ds)
11.LET IT BE / 村上“ポンタ”秀一 feat.30YEARS ANNIVERSARY SINGERS
石橋凌(vo)、大橋純子(vo)、ムッシュかまやつ(vo)、坂崎幸之助(THE ALFEE)(vo)、SHIHO(Fried
Pride) (vo)、タケカワユキヒデ(vo)、松崎しげる(vo) 、徳武“Dr.K”弘文(g)、岡沢章(b)、林立夫(ds)、清水信之(p,kbds)
All Tracks:
村上“ポンタ”秀一 (drums)
佐藤“フィッシャー”五魚(sampler)
PRODUCED & ARRANGED BY 村上“ポンタ”秀一
ヴォーカルに関しては、『WELCOME TO
MY LIFE』に劣らないくらいの豪華っぷり。ゆずに「翼をください」を歌わせたり、槙原敬之に山下達郎のナンバーを歌わせたりと、選曲も言うことはございません。決定的に違うところは、『WELCOME
TO MY LIFE』がヴォーカルを含めたバンドのセッションを聞かせる構成だったのに対して、『MY
PLEASURE』はヴォーカリストとポンタさんとのガチンコ勝負になっているという点です。
ヴォーカリストの魂を込めた歌に対して、ポンタさんのドラムも負けじと歌い返します。ポンタさんのドラムの魅力は、とにもかくにも歌うところ。絶妙なフィルイン。そうくるかと思わせる絶妙なずらし。ポンタさんのタイコを聴いていると、本当にメロディーが見えてくるのです。饒舌すぎるので、合うアーティストと合わないアーティストが出てきてしまうのも事実ですが、それでもこれだけの歌を持っているドラマーは非常に貴重ですから、つい一緒にやってみたくなるのでしょう。それが、参加アルバム10,000枚以上というキャリアにつながっているのだと思います。
また、このアルバムの一番聴きどころは、15分以上にも及ぶ『MILES DAVIS MEDLEY』 。ニューヨークの一流ジャズミュージシャンに加えて、なんと坂本龍一まで!!坂本龍一にマイルスの曲を弾かせるなんて、本当にくらくらするような出来事です。プレイの方もものすごい熱いです。これで1枚アルバムを作っても、充分記念盤にふさわしいものになったんじゃないかと思わせる素晴らしい演奏。本当に度肝を抜かれました。
年末の豪華な音楽番組といえば、「紅白歌合戦」ですが、このアルバム『MY
PLEASURE』も紅白に負けていないくらいの豪華さだと思います。こんなアルバムは、日本ではポンタさんだけしか作れないでしょう。日本のミュージシャンの底力が充分過ぎるくらい堪能できるこのアルバム。年末のお供にぜひ聴いてみてくださりませ。
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■今週の間違い大杉
ひでがお送りする、前回お気楽81号の素の間違いを自ら暴きだし、謝ってしまうのがこのコーナーでございます。
前回は浩子先生の「ライターズ・ハイ」が紙面に蔓延し、いつも以上にスットコドッコイな素の間違いが炸裂しております。これでは、皆さん引っかかるわけだ。
それでは、今週もお楽しみください。
>それにしても、今回はホントにやばっかった。
素の間違いは「やばっかった」。正しくは「やばかった」でございます。
かつてない修羅場モードだった浩子先生。やばい記憶が頭の隅っこから離れないのか、文章も見事にろれつがまわって入れません。噛みまくっています。浩子先生が本当にやばかったのが、手に取るように分かってしまう素の間違いでございます。
>脳みそ使いっぱなしにすると、変な汁が出てくるのかもしませんな。
確かに出てきましたよ、変な汁が。素の間違い汁ってやつですけどね。
この素の間違いは「かもしませんな」。正しくは「かもしれませんな」でございます。
「ライターズ・ハイ」によって脳みそから出てきた変な汁の悪影響が読者の方々にハッキリと伝わってしまう、とても見事な素の間違いでございます。しかも、汁が「かもし」出す見事な味わいまでも伝わってしまいそうです。いやぁ、実に素晴らしい。
>集中豪華の雨を降らせれば、瞬間風速も100ヘクトパスカルくらいいくかもしれません。
実は、この文には素の間違いが二つございます。
一つ目は、「集中豪華」。正しくは「集中豪雨」でございましょう、きっと。
なんでこんなあいまいな書き方になるかというと、「集中豪雨の雨」という奇妙奇天烈な日本語が誕生してしまうからでございます。「頭痛が痛い」と同じですな。血を分けた弟のわたくしにも、本当はなんなのかは分かりません。ですから、これは永遠の謎ということにさせてくださいませ。
二つ目は「瞬間風速も100ヘクトパスカル」。正しくは「瞬間風速も100m/sec」とすべきでしょう。
「ヘクトパスカル」は、気圧の単位であって、風速の単位には使いません。これで浩子先生には、理科の知識がないことが全国的に暴露されてしまいました。もちろん、気が付かなかったお気楽スタッフも同様であることは、いうまでもございません。読者のM9さまのご指摘がなかったら、一生気が付かなかったことでしょう。M9さま、するどいご指摘をどうもありがとうございました。
>世の中年末モードにモードにまっしぐら
素の間違いは「年末モードにモードに」。もちろん、「モードに」が一つ余計です。
これはわたくしの間違い。一週間前のわたくしは、あっという間に年末になったのが、相当ショックだったみたいです。よく「一年があっという間と言うのは、オヤジの証拠」と言われますが、本当にその通りだと思います。楽しい時間があっという間に過ぎる状況ではなくて、新鮮な出来事が何もなかったから、振り返ってみるとあっという間だったということなのでしょう。
もちろんこれではいけません。よって、一週間前のわたくしの気持ちを修正いたします。
ああ、なんて楽しい2003年だったんだぁ。いろんなことがあって、実に充実した年でした。2004年も、もっと楽しい年になるといいなぁ。
よしよし。こういう感じで年末を乗り切らなくては、と気が付いた今日この頃でございます。
それでは、今週も謝ってしまいます。
どうも申し訳ございませんでした。
みなさま、お気楽82号もお楽しみいただけたでしょうか。
例によって、このようなスットコドッコイな素の間違いが炸裂していることは、お日さまが毎日昇るくらいの当然なこととして、読者のみなさまは覚悟を決めていらっしゃることと思います。
でも、こんなことなんかに負けてはいけません。ええ、いけませんとも。
このような素の間違いを乗り越えて、NGワードにたどり着いた暁には、きっとものすごくお気楽な気持ちが細胞中に染み渡って、元気になることは間違いないのです。
ということで今週も、あなたのNGワードへのご応募、心からお待ち申し上げておりますね。
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最後まで読んでいただいてありがとうござります。
今週もステキな1週間をお過ごしくださいませ。 |