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  週刊
  ★高橋浩子の日本一“お気楽”なパソコンマガジン★
       ~ 第749(Vol.749号) ~
                2016年 09 月 22 日

 
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 ■今日のひとこと ~ 浩子のお告げ ~

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          人は死ぬ
           だからこそ生きる

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 ごきげんよう。高橋浩子です。
 
 定型の前置きもBGMもなく、いきなり始まっておりますが、
 今回は特別ということでご了承ください。むしろこっちの方が
 読みやすいかも…と思ったり思わなかったりしておりますが、
 次回からどんなスタイルにするか、先のことはこの先考えること
 にいたしましょう。
 
 始まり方も唐突ですが、今から話すことも唐突です。
 失礼を承知で申し上げます。
 
 昨日、母が亡くなりました。もう夜が開けて朝になってしまった
 ので一昨日になりましたが、9月21日、11時40分、永遠の眠りに
 つきました。
  
 このお気楽にも「ちゃこまま」の愛称で度々登場していたので
 お見知り置きの方もいると思いますが、高橋家乙女組の長であり、
 素直で思い切りが良く、我が母ながらチャーミングな人でした。
 
 そしていさぎよすぎるほどの幕引で、81年の寿命を全ういたし
 ました。常々、人の迷惑にはなりたくないと言っていた、実に
 母らしい最期だったと思います。
 
 膵臓に腫瘍があるとわかったのは、昨年の11月でした。いろんな
 選択肢がある中、家族でいろいろと考え、相談した上で母が出し
 た結論は「何もしない」という選択でした。
 
 いつも元気で前向きで、しばらくはがんがあることすら忘れて
 暮らしておりました。ですから病気になったことを知らない人、
 知っていても大したことはないと思っていた人がたくさんおり
 ました。
 
 家族も、そして当の本人もそっちの部類でした。良く食べ、良く
 笑い、良くしゃべり、得意の料理を振る舞っては、私たちを楽し
 ませてくれました。
 
 旅行に行ったり、趣味の書道やカラオケも楽しんでおりましたの
 で、「あの診察はなんだったのかしら?」「もう消えちゃったん
 じゃないの?」なんて笑いながら話していたものですが、身体の
 中ではゆっくりと変化は起きていたんですね。
 
 この夏、お風呂の配水管が壊れて、大きな工事をしなければなら
 ないかも・・・という我が家にとっては大きな事件が起こったり、
 猛暑にヤラれて熱中症になったりと、母にとっては大きなストレ
 スが重なってから、目に見えて体力がなくなっていきました。
 
 それでも、親戚の法事に出席したり、私の名取り披露の舞台を
 観に、わざわざ秋田まで足を運んでくれた母。どれだけの決意と
 強い意志を持って母が秋田行きを敢行したのかは、舞台を終えて
 から知ることとなるのですが、その翌日に姉と三人で、姉の幼馴
 染みが住む弘前を尋ねたのが、乙女組最後の旅行となりました。

 弘前では、お互いに姉・妹・母の3人組みで、楽しいひとときを
 過ごしました。その席で「この子の舞台は私が見届けてあげな
 きゃと思って…」という母の言葉を聞いて、初めて事の重大さに
 気づいた次第です。
 
 その時の衝撃。何しろ当時は自分のことで一杯一杯でしたので、
 母の気持ちを汲み取る余裕もなく・・・。自分のキャパの狭さと
 力不足をガツンと思い知った瞬間でもありました。
 
 弘前旅行は9月の4日。ねぷた村に行ったり、名物料理を食べたり、
 お土産を買ったりしていたのですが、そこから急転直下のひさ子
 劇場が始まります。
 
 そろそろ配管工事が始まろうかという9月9日、さすがに旅の疲れ
 が出て伏せていた母が、思い立ったように「病院に行きたい」
 「できれば入院したい」と姉に告げたそうです。

 ちょうどその日が母の担当医の院長先生の外来の日で、その場で
 入院が決まります。重陽の節句にそんなことがスルスルと決まる
 なんて、「さすが母、持ってるねぇ~」なんて言いながら、とり
 あえず工事が終わるまでの間は、病院で過ごせることとなりまし
 た。
 
 この病院とのご縁もちょっとしたミラクルなんです。14年程前、
 今は亡き父が入院していた病院なのですが、母の担当医である
 院長先生は、15年程前、母が胆のうの手術をしたときに執刀して
 くださった方なんです。当時は別の病院だったのですが、この
 偶然過ぎる再会には誰もが驚きました。
 
 この先生がまた素晴らしい方で、「何もしない」という母の選択
 を快く受け入れ、「何かあったらいつでもいらっしゃい」と言っ
 てくださいました。その言葉通りに、今回、治療もしないのに母
 を受け入れてくれ、手厚い看護をしてくれました。春日部中央総
 合病院の素晴らしい対応に、心から感謝を申し上げます。
 
 久しぶりの入院生活は、母にとってなかなか快適だった様で、
 最初の頃はアイスを食べたり、おかゆを食べたり、自力で歩いた
 りとそれなりに元気でした。何より頭がしっかりしているので、
 会話も楽しいし、子供たちに出す指示も的確なんです。このあた
 りは「サスガ母」という意外はありません。
  
 毎日の病院通いは、時間や体力的には大変でしたが、やりくりす
 ればなんとかできることも学びましたし、なにより母とのおしゃ
 べりは楽しい時間でした。そして、背中が痛いと言われればさす
 り、足をマッサージしたりして、母に「気持ちいい」と言って
 もらえることがうれしかったんです。
 
 様態が急変したのは、20日の夕方でした。ちょうど二、三日、
 家に戻ってみようと、外泊の手続きを進めていた時だったのです
 が、ベッドも用意でき、さぁ、準備万端、というタイミングで
 突然の嘔吐。そこから個室に移り、私たちも一緒に泊まることに
 なり、姉と私と交代で一晩中付き添い、朝を迎えます。
 
 その夜はだいぶ痛かったようですが、薬が効いて眠っている母を
 見て、「落ち着いたね」と、ホッとしながら窓の外を見ると、
 台風一過の朝焼けが輝いておりました。
 
 そこからしばらく静かな時間が流れ、私たちは眠ったり、少し
 仕事をしたりしていたのですが、その静寂が突然破られたのが
 9時半頃だったでしょうか。
 
 それから、あれよあれよという感じで、最期のときを迎えたの
 ですが、子供たち3人、母と一緒にいられたことが、母の最大の
 置き土産だったように思います。
 
 それにしても、早過ぎましたけれど。
 
 今、母は家に帰り、いつもと同じ場所で、とても心地よさそうに
 眠っています。寝息が聞こえてきそうなほどに。ちょうどお彼岸
 なので、お通夜は彼岸明けの26日、葬儀が27日となりました。
 それまで時間があるので、家族でゆっくりと過ごしながら、遺影
 を選んだり、何を持たせるか相談したりしておりますが、私たち
 には母が残した大きな「宿題」がまっています。
 
 すでに申しました通り、何しろ気丈な人でしたので、弱っている
 ことろを見せたくないと、母の知り合いには入院していたことは
 おろか、病気であることも知らせていない人ばかり。その方々に
 突然の訃報をお知らせしているわけですが、皆さんの驚き、涙、
 悲しみ、なんで言ってくれなかったの、もっと話がしたかったの
 に・・・という思いを、これから全身全霊で受け止めていかなく
 てはなりません。
 
 同時に、私たちが知っている「母」というひとつのパーソナリティ
 を超えた、「人間、高橋ひさ子という人物像」を、まざまざと
 見せられることになるのでしょう。
 
 裏表のない人でしたし、誰彼となく同じように接していたと思い
 ますが、それでも私たちが計り知ることがない、あんなこと、
 こんなことをやってきたはず。どんな言葉を残し、どんなことを
 やり、どういう風に思われていたのか、これからたっぷりと驚か
 せていただこうと思っています。
 
 人は死ぬことで、肉体は失いますが、死んだ後にこそ残るものが
 たくさんある。それはちゃんと生きた証であり、ちゃんと生きな
 いと残すものも残せない。
 
 今まで本を読んだり人から聞いたりして、それなりにわかってい
 るつもりでしたが、いよいよ「実践・体験・応用編」という上級
 者向けの授業が始まりました。
 
 母が残していった課題の大きさに、ちょっとクラクラしており
 ますが、こんな声が聞こえてきそうです。
 
  あなたたち、私がいたら、いつまでたっても本気出さない
  じゃない。いい加減にもっとしっかりしなさい!
 
 ・・・はい。本気出して、精一杯がんばります。
 
 
 お付き合いいただき、ありがとうございました。
 最後に葬儀のご案内を。賑やかなことが好きな人でしたので、
 もしお時間がありましたらお立ち寄りください。
 
ーーー
 通 夜:9月26日(月) 午後5時30分より
 告別式:9月27日(火) 午前10時より11時まで
 (状況によって少し早めの開式になる場合がございます)

 会場:越谷市斎場
    〒343-0011
    埼玉県越谷市大字増林3989番地1
    TEL:048-960-6800
 http://www.city.koshigaya.saitama.jp/shisetsu/saijo/saijo.html   

 施行葬儀社:葬儀のかぐや 東京
   TEL:03-6272-4640
   FAX:03-6272-4645
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